国防アレルギーからの覚醒 Part2
前回に続き、『日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略』から、国防アレルギーは滅亡への道という段落を再掲する。
Part1 はこちらから↓
国防アレルギーからの覚醒 Part1
https://fuulinkazan.seesaa.net/article/201407article_1.html
加えて、集団的自衛権を閣議決定した際の記者会見動画を貼り付けておこう。
安倍晋三総理 集団自衛権閣議決定後記者会見
http://youtu.be/Bk6G5GOPVZU
http://youtu.be/KwZrfcoVwaA
反日左翼マスコミが絶対に報道しないデモ
集団的自衛権 賛成デモ
http://youtu.be/dMf-2n8WO4c
集団的自衛権 賛成デモ リンク集
https://www.youtube.com/playlist?list=PL8yr7AqMb7l8VCLg3m0g3oQYeJf3I_Rif
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『日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略』 (P249 ~ P260)
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【日本の国家戦略(一)】
国防アレルギーは滅亡への道
かつて社会党は「自衛隊にはお嫁にやりません」という完全な職業差別の選挙ポスターを全国に貼ったことがある。
もし仮に自民党とかが「共産党員・社会党員にはお嫁にやりません」「創価学会員にはお嫁にやりません」というポスターを貼ったりしたら大騒ぎの大問題になったことであろう。なぜ自衛隊ならそれが許されるのか。
TBSで放送されていた人気番組『三年B組金八先生』では、自衛隊に就職を志願した生徒を金八先生が「人殺しになるな」と説得して断念させるというエピソードがあった。
日教組の教師たちは自衛隊員の子供を立たせて級友の前で「○○君のお父さんは人殺しです」と言い放ち、また「自衛隊員入店お断り」と貼り紙した自称「反戦平和店」なる飲食店が話題になったこともあった。
自衛隊の通信線を切断した極左の「反戦活動家」二名は無罪(昭和三十七年札幌地裁)となり、ペルシヤ湾で命を賭けて機雷除去の掃海任務を果たして帰国した五百人の自衛隊員には総額十万円[一人あたり二百円]の報賞金しか出さず、あげくには自衛隊の一日あたりの食費額は刑務所よりも二百円安いのである。
自国の軍人の食事を犯罪者以下の待遇にしている国なんて、日本以外にはただの一国も存在しない。
このように自国の軍人をとことんまで侮辱し蔑み続けた、世界唯一の歪んだ国がこの戦後日本である。
ここに平成十年八月に広島の教材出版社が全国の公私立高校三年生(一千四百五人)に対して行ったアンケート結果がある。
「日本の平和にもっとも貢献している制度は」という設問に対し、一位は「平和憲法」四十四・五%、二位は「非核三原則」三十四・六%、そして「日米安保」と回答したのは僅か一・四%であった。
また「日本の平和を支えている組織(又は団体・機能)は」という設問に対しては、一位が「市民運動」二十五・二%、二位が「国連」二十四・四%、三位が「警察」十・五%で、「自衛隊」と回答したのは九・五%にすぎなかった。
現在の日本の若者はここまで完全に洗脳され狂ってしまっているのだ。
日教組や全数の教師が行っている授業実態は一般人はおそらく想像もつかないほど偏向しており、その結果として「平和憲法」「非核三原則」「市民運動」「国連」といった糞の役にも立だないシロモノが「日本の平和を守っている」と思いこんでいる若者が多数を占めている。
平成十三年二月二十二目の読売新聞の青少年アンケートでは「外国から侵略されたらどうするか」という設問に対して、一位の「無抵抗」が五十六%、二位の「武器以外の方法(話し合いなど)」が二十九%、つまり侵略攻撃に一切抵抗しないか話し合いをするという事実上の「降伏」を選んだ者が合計八十五%に達し、一方「武器を取って抵抗する」は僅か十三%であった。
青少年の85%が侵略攻撃への抗戦を否定する国など、世界中どこを探しても日本以外には一国もない。
つまり日本は「世界で一番侵略しやすい国」なのだ。左翼の教師組合や左派マスコミが育てあげた若者たちとは、世界一臆病で卑しい敗北主義者たちだったのである。
そしてこの世代の人間が政治家になっても、同じ感覚のままでいることこそ実に危険きわまりないことなのだ。
例えば、船田元氏の不倫騒動に便乗して当選した民主党の水島広子という若い新人代議士がいた。
水島はイラク人質事件に際して、人質家族の反政府アジテーションに対する国民からの抗議について「この国はここまで来てしまったのか。それほど社会は病んでいるのですね」と宣った大甘のお嬢ちゃんだが、国防に関してもとても国会議員とは思えない白痴的な妄想を公言しているので、妄想平和主義者の典型例として紹介しよう。
平成十二年八月二十日の『サンデープロジェクト』に出演して「外国が攻めてきたら?」と問われた水島は、なんと「とりあえずその場はしょうがない」と答えている。
日本以外のどの国にあっても、国会議員がこんな発言をしたら国民から大々的な非難がおこり即時失脚である。
水島はその後もHPや雑誌で自身の見解を次のように述べている。「(外国の攻撃を受けた場合)この国際世論がその、昔とは全然違いますから、そんな非常な、非常状態がいつまでも放置されるかっていう、私はその辺ちょっと、人間っていうものを、信頼したい」「(世界から軍隊をなくすために)私は経過指置として国連軍を作り、世界中の軍備を国連軍にシフトさせ、各国固有の軍はなくしていくべきだという考えです。国連軍には当然、日本も参加するのですが、その時は無国籍であり、憲法九条を改正する必要はありません」。
現役の国会議員が外国からの攻撃に対する対処を聞かれて、「とりあえずその場は仕方ないが、そのうちに国際世論が何とかしてくれるだろう。人間っていうものを信じたい」という幼稚園児のような回答をしているのだ。
そもそも世界各国のどの国が固有軍をなくしてくれると思っているのか。幻想というか妄想もここに極まれりといった感がある。
平成十五年七月、新潟県加茂市の小池清彦市長がイラク特措法廃案を求めて全国会議員に発送した要望書には、「(自衛隊に)犠牲者が出た場合、自衛隊は職場としての魅力を失って隊員が集まらなくなり、そうなると徴兵制が復活してファシズムが台頭する危険性がある」と記されている。
この男は正気だろうか。加茂市民には悪いが、こんな男に市長が務まるのならば、犬に市長を任せたほうがよい。そのほうが狂った妄言を宣うよりもワンワンとしか言わない分だけ罪がない。
徴兵制の国がファシズムならば、世界中の大半の国がファシズム国家だということになる。
この男はファシズムの意味を分かっているのか。それともカタカナ言葉を使って知的なフリをしてみたかっただけか。
ところが同年七月二十五日にTBS『ニュース23』はこの要望書を大々的に取り上げて、「一旦転がり始めたものが向かっていく先の怖さってものが、何となく、こう見えてくる気もするんですね」とコメントした。
コミュニストにとっでは、中朝の軍拡は怖くないが日本の自衛隊はやたらと怖いのだろう。勝手に怖がっていればよい。
ところで、その左翼に怖がられている自衛隊の現在の総合戦力、つまり物的プラス人的戦力は正直なところ、世界で第三十位前後だといわれている。
これは兵器や兵員だけではなく、指揮の系統や機能、経済力や軍事転化可能な工業力、兵器開発力、予備兵力の動員可能数、戦時に対する法制や国民意識、国内の利敵(反戦)勢力の規模、その他、いざ戦争となった時の国家の潜在力全てを勘案してのランキングである。
つまり自衛隊そのものの戦闘技術や士気はハイレペルなのだが、政治・法制や国民意識や機能面において大いに足をひっぱられ、そのために三十位前後に位置づけられているのだ。
それ故に自衛隊が戦って勝てるのは、東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど権力者の政争が絶えない国々の私兵的軍隊を相手にした場合だけだともいわれている。
これは自衛隊が迎撃力中心の軍隊であり、攻撃力を政治的に取り上げられていることも主因の一つだが、それ以外にも諸々の諸因がある。それらの諸因となっている自衛隊の実状を少し説明しておこう。
まず自衛隊が所有している実弾は、約三日間の戦闘分しかない。
しかも一ヵ所にまとめて管理されているため、もし駐屯地の真ん中を敵の戦闘機が攻撃して弾薬備蓄所を爆撃されたらオシマイである。
備蓄の少ない実弾が貴重であるため、自衛隊では実弾演習をほとんど行っていない。銃を手に持って口で「バーン、バーン」と叫ぶ演習だけだ。
迫撃砲なども演習場がないために模擬弾を使い、段ボールでつくったハリボテを敵戦車に見立てて演習している。
さらに自衛隊は他国の軍に比べてハイテク化が進んでいるようなイメージを持たれているが、それは例えばイージス艦などごく一部であり、自衛隊の車両にはGPSもコンピュータもデジタルマップも搭載されておらず、各車両と司令部をつなぐデータリンクシステムもない。
これらは全て防衛予算が少なすぎることに由来する。
しかも政府はMD導入予算も別扱いにはせずに、現行の防衛予算の中に収めようとしている。
そのため、陸自予算から戦車・火砲、海自予算から護衛艦・哨戒機、空白予算から作戦用航空機が削減された。
従って今後さらに自衛隊は兵器不足に困ることになる。
さらに馬鹿みたいに「専守防衛」にこだわり続けたせいで日本国上上での戦闘しか想定していないため、自衛隊の機関銃は五・五六ミリであり、例えばイラクや北朝鮮の使用する七・六二ミリ機関銃と撃ち合いになれば、自衛隊の弾の威力(貫通力)は七・六二ミリ機関銃の二分の一しかなく、接近銃撃戦では勝ちようがない。
これは映画『宣戦布告』でも描かれていたが、妄想平和主義に固執した政治が自衛隊員の生命を不要に危険にさらしている。
これが日本国民の大切な「財産」である自衛隊の実状なのだ。
本来軍隊とはいざ防衛戦となれば全ての法を超越するのが世界中の常識である。
しかしこれまで自衛隊は世界で唯一、国内法の制限下に置かれている異常な状態にあった。例えば北朝鮮軍が海岸から上陸してきたと仮定する。
それを迎え撃つために自衛隊が軍用車や装甲車で市街を移動するには、地方の公安委員会に特別許可を申請しなければならない。公安委員が集まった会議で許可が下りて始めて移動開始となる。
しかし移動の際に制限速度をオーバーすると道文法違反となり、交通警官から「そこの自衛隊車両、停車して免許証を出しなさい」と言われ、運転していた自衛隊員は交通違反キップを切られる。
ようやく目的地に到着してプレハブの司令部を設営しようとすると、先にその土地の所有者を探し出し、運良く所有者が左翼や在日北朝鮮人ではなくて賃貸契約を結んでもらえれば、次に建築基準法に基いての許可申請を役所に出しに行き許可を待たねばならない。
そんなことをしている内に当然ながら民間人も含めて大量の死亡者や負傷者が続出するが、野営病院を設営しようとしても医師法だの何だのと山はどの許可を申請しなければならないのだ。
そして民家に逃げこんだ北朝鮮兵を追って自衛隊員がその家に入ると住居不法侵入罪、さらにその家の主が在日北朝鮮人か共産主義者で「自衛隊は出ていけ」と言われて従わずにいれば不退去罪、思い余った自衛隊員がその家の主を取りおさえると監禁罪、取りおさえる時に殴ってしまえば傷害罪、もうキリがなく余りに馬鹿馬鹿しいのでこれ位にしておくが、この様な状態に自衛隊が長年置かれ続けてきた現実を国民の多くは理解しているのだろうか。
よく左翼軍営は「自衛隊は世界第二位の軍隊」だと主張して、それを防衛力削減を訴える口実に用いる。
世界第二位だという根拠は、日本の防衛費が世界第二位の金額だということに由来しているが、ここに左翼のレトリックが隠されている。
現在自衛隊の兵器や装備を製造している国内メーカーは、政府の愚かな妄想平和主義政策のせいで海外へ輸出を禁じられている。
いわゆる武器輸出三原則は、共産圏、国連が禁止した国、国際紛争当事国に対して武器輸出を認めないとする自主規制政策だが、それに加えて何を血迷ったのか三木内閣がこれらの国々以外の諸外国へも武器輸出を「慎む」と決定したのである。
そのため中共にはODAの名目で軍用輸送可能道路や戦闘機発着陸可能飛行場をつくってやったり、北朝鮮には核兵器製造に転用可能な精密機器が送られるその一方で、海外の日本人には防弾チョッキ(通産省はこれを武器と認定!)さえも送れないという状況にあるのだ。
こうして海外に輸出できない以上、日本の兵器メーカーは量産することができず、従ってどうしてもコストが高くなってしまう。
例えば諸外国では、小銃の平均調達価格は日本円で一丁あたり四~六万円だが、自衛隊の小銃である八九式の調達価格は一丁あたり三十五万円もかかっている。
対戦車ヘリコプターは、アメリカでは一機六~七億円で調達しているが、自衛隊では同クラス機が一機四十九億円なのだ。
他の兵器も勿論のこと、弾薬から装備も全て世界一の高コストで、さらに徴兵制ではないために人件費も非常に高い。
つまり実質攻撃能力は世界第三十位前後だといわれるのに、費用だけは世界第二位ということなのだ。
一体これのどこが「世界第二位の軍隊」ということになるのであろうか。
この高コストを解決するには、日本の兵器メーカーの海外輸出を自由化するしか方法はない。ようやく石破防衛庁長官が武器輸出三原則の見直しを口にしたが、海外輸出を禁止している国なんて日本ぐらいしかなく、これは平和主義というよりも偏執狂的、病的だとしか言い様がない。
そして何とも信じ難い異常なことではあるが、自衛隊の駐屯地を警備する自衛隊員は実弾を持たせられていない。
つまり猟銃か何かを待った暴徒が乱入すると、黙って入れるか、死を覚悟して素手で取りおさえるしかないのである。
さらに防衛庁の警備も民間警備会社が行ってきたのであるが、これもまた機関銃を待った数人程度が乱入すれば日本の防衛中枢が占拠されるということである。
なお世界各国にある日本の大使館や領事館などの在外公館についても、自衛隊はその警備を任されていない。
米大使館の警備は米海兵隊が担当しているように、世界中どの国も自国の軍で在外公館を警備しているのに、日本だけは現地国の警備会社に依頼してガードマンを雇うという、常識ではとても信じられないことを行ってきたのである。
現在イラクにおける大使館のガードマン費用だけでも外務省はすでに一億円近くを費やしているが、要するに自衛隊をわざと排除して金で安全を買っているわけだ。
イラクで殺害された奥克彦参事官が外務省のHPで連載した『イラク便り』には「日本の場合、自国の兵士や警備を行いませんので(ちなみに、これは主要国では稀なケースです)、警備対策が最大の問題です」という一節があった。
奥氏はその立場上ソフトな表現をしておられるが、要するに日本は主要国では稀な「異常」な国なのだ。
日本はそろそろ普通の国の「常識」を身につけないと、これから世界各国の日本大使館はテロの好餌となる。
ところが9・11テロの直後に、皇居や原発、米軍基地などを自衛隊が警備するという案が出されたとき、「国民に銃を向けるのか。警察に警備させろ」と主張した自民党の親中朝派の大物議員がいた。
自衛隊が銃を向けるのは、アルカーイダの対日テロ要員か北朝鮮テロエ作員に対してであり、それらのテロから国民を守るための自衛隊なのに、一体何をとち狂っているのであろうか。
大きな問題点はさらにもう一つある。
元々自衛隊とは警察予備隊として発足したために、そのシステムは警察と同類で軍隊としてのものではない。
そして自衛隊の制服組は、防衛庁の「内局」と呼ばれる背広組のコントロール下におかれている。
この内局の大半は他省庁から出向してきた官僚で、軍事や安保の知識は皆無である。防衛庁事務次官ポストは最近までずっと、大蔵省(財務省)からの出向官僚が就いていた。
従って防衛庁に対しては大蔵省の権限が強く、例えば陸上自衛隊の定員は本来は十八万人なのに大蔵省が「予算定員」と称して十五万人分で予算を切ってしまうため、残り三万人を採用できない。
これは名前が財務省に変わっても全く同じことで、国会が定めた日本の国防力を一省庁が独断で三万人も減らしているわけだ。
そして詳しくは後述するが、この「内局」と呼ばれる出向官僚の多くが、自虐史観と反国防思想を持つマルキストなのである。
現在、元防衛庁政務次官の箕輪登という男が極左グループと連携して自衛隊イラク派遣に反対し、「自衛隊派兵違憲訴訟」なるものの原告に名を連ねていることがその一例であろう。
ともあれ自衛隊の指揮系統からこの「内局」をはずさないかぎり、いざ有事の際に自衛隊がまともに機能しないことは必至である。
もし北朝鮮と交戦となれば、前述のように日本国内にいる数万人の工作員が破壊テロを決行し、市街戦となることは確実だが、いくらハイテク戦闘機やイージス艦を持っていても、市街戦・ゲリラ戦の訓練をしていなければ、国民の生命は守れない。
しかも十二万数千名からなる北朝鮮特殊部隊が侵入してきた場合、それを防ぐには最低でも水際に三十~四十万人の軍隊が必要となる。
韓国では一九九六年に、北の十四名の特殊部隊兵士を掃討するのに軍隊六万人が動員され完全掃討に二ヶ月も要している。
実数でいえば僅か十四~十五万人という陸上自衛隊の人数は、国を守るにはあまりにも少なすぎるのだ。
しかし自衛隊を増員しようにも市街地訓練を行おうにも、財務省が勝手に予算を切り、左翼政党や親中朝派政治家が猛反対して大騒ぎしてこれを抑えている。
これら反自衛隊を唱える勢力がよく口にするのが「日本はスイスを見習って永世中立国になるべき」という毎度の主張だ。
確かにスイスは第二次大戦でも中立を堅持したが、ヒトラーがスイスに手を出さなかったのにはそれなりの理由がある。
スイスは六百九十四万人の人口だが、国民皆兵制を敷き、戦争が起こった場合は四十八時間以内に成人男性全員が指定の軍事施設に集合することになっている。
さらに男性は全員が二十~四十二歳の間に民兵として兵役に就き、計三百日間訓練を受け、各自がそれぞれの家庭に戦闘用の銃器を保管するよう義務づけられてもいる。
そして、いざ有事ともなれば陸軍五十六万五千人と空軍六万人、合計六十二万五千人を二日間でスイス全土に配備する体制のもとに、北海道の二分の一の国土(約四万一千平方キロ)を防衛しているのだ。
それに対して日本の北海道には現在、約四万人の自衛官しかいない。
もし日本が永世中立を掲げてスイス並みの防衛体制を構築するならば、北海道だけでも百二十万人の自衛官が必要となる。
日本全土となれば、スイス同様に成人男性全員が皆兵となってようやく足りるかといったところである。
スイスが国是とする「永世中立」とは、これだけの国防意識と国防体制、危機管理能力に基いてのものであり、日本の左翼陣営が主張する「非武装中立」などといった妄想とは根本から違っているのだ。
国防努力を放棄した危機管理能カゼロの「中立」が永続する筈もなく、逆に周辺敵性国の攻撃誘因となる。
「中立」を国是とするということは、通常以上の強大な軍事力保持がその絶対条件となるのである。
スイスのこのような実状が段々と知られ始めると、今度は朝日新聞は論説で「コスタリカを見習え」と主張し、左翼陣営は『コスタリカ・軍隊を廃止した国』というドキュメンタリーの上映会を各地で展開し、近年は何かにつけて「コスタリカ、コスタリカ」大騒ぎしている。
しかしこのコスタリカという国は、軍部による内戦やクーデターが頻繁に起こった為に政権転覆を防止するために軍隊を廃止したのであって、地政学的にも周辺国の利害や紛争とは無縁だからそれが可能だったのである。
世界地図があったら手元に広げてみてほしいのだが、北米と南米の間の陸廊部にある小さな小さな国であるコスタリカの人口は僅か三百七十万人、GNPは日本の四百五十万分の一、コスタリカを仮想敵国視する国も一切存在していない。
それに対して日本は人口一億三千万人の世界第二位の経済大国であり、中共・北朝鮮・ロシアからは仮想敵国とされていて実際に対日戦の準備は常時スタンバイされており、核ミサイルの照準まで向けられ、地政学上も非常に厄介な位置にある。
この日本とコスタリカを比較すること自体がメチャクチヤもいいところなのだ。つまり味噌と糞を比べて論じているということだ。
軍隊を持たない国ということであれば、北極圏下の人口三十万人の島国アイスランドを引き合いに出しても良さそうなものだが、左翼も朝日も決して「アイスランドを見習え」とは言わない。
それはアイスランドは「北極の小さな島を侵略する国はないだろう」と呑気に構えていたら第二次大戦中に英国に占領されてしまい、その教訓から戦後は米国と防衛協定を結んで国内に米軍基地を設けさせているからである。
従って反米で米軍基地にも日米安保にも反対している左翼は、アイスランドは見て見ない振りをして「コスタリカ、コスタリカ……」と叫び続けているのである。
さて現在の日本を取り巻くこの現状は、軍隊をなくすどころか大幅に増員しなければならない必然性を強く示唆している。
戦後このかた、まさに現在ほど至急に高度国防国家への転換を求められる状況は存在しなかったぐらいだ。
そしてこれは重要な点なのだが、戦闘訓練を受けていない民間人がある日突然に兵となってもマトモに戦えず、戦死率は圧倒的に高くなる。
つまり戦争を仕掛けられたときに、多くの民間人が戦死しなくてもよいためには、プロの職業軍人を多く確保しておく以外の方途は一切ない。
一千万人からの公務員を国民に寄生させておくよりも、それらを大々的にリストラして代わりに自衛隊員を増やすことのほうが余程国民への思いやりというものである。
約二千三百万人の人口の台湾では、陸軍二十四万人、空軍・海兵隊十三万人強、予備兵力百六十六万人を擁している。
また人口約四千八百万人の韓国では、陸軍五十六万人、海兵隊二万八千人、空軍他が九万人、予備兵力は四百五十万人を擁している。
国を守るためには、これだけのプロ軍人は最低でも必要なのだ。
二千三百万人の人口で陸軍百万人と予備兵力七百四十五万人を擁する異常な北朝鮮はともかくとしても、日本人一億三千万人の生命を守るべき自衛隊が予備兵力五万人を含めて総兵力二十九万人では、とても足りないどころか存在しないも同然である。
韓国の人口は日本のおよそ三分の一であることから、日本は最低でも百五十万人の自衛官が必要であり、四方八方を海に囲まれている地政的に鑑みると本来は二百万人(予備兵力を含む)は必要なのだ。
しかし日本の現状はその七分の一以下である。自衛隊を増員増強するということは、国防をより確実にするのみならず、一般民間人が市街戦に駆り出されて死亡するという悲劇を回避するために不可欠であり、左翼や親中派政治家の言のごとく自衛隊を減らし防衛費を削減するということは、それだけ民間人が多く死ぬということに他ならない。
平成十六年度末までに日本政府が策定する「防衛計画大網」の骨子が公表されたが、なんと陸上自衛隊の主力装備が三割削減され、「基盤的防衛力」から国連POKなどの「国際平和協力」へ自衛隊の主業務を転換するという主旨が示されている。
これはとんでもない愚かな話である。
私は自衛隊の海外派兵自体には大賛成であり、それも出来るだけ国連PKO以外の日本独白の主権的判断での派兵展開を進めることが、「平和真理教」を盲信するカルト国家日本の洗脳を解くカギだと考えている。
しかし中共・北朝鮮という敵国が日本にミサイルの照準を向け対日戦を想定した軍事演習を繰り返しているのに、「基盤的防衛力」を後回しにして陸自装備を削減するとは、まるで武装強盗団に対して「うちの家の鍵をこじあけやすいものに変えました」と言いに行くようなものである。
何故こんな馬鹿な案になったかと言うと、現在の自衛隊員数では「基盤的防衛」も「国際平和協力」も両方やるのには人員も予算も足りないからだ。
だから自国の防衛に充てるべき人員を海外派遣に回すしかないのだ。要は自衛隊を大幅増員して予算を拡大すれば解決することなのだが、左派マスコミや公明党の反対を怖れてそれも言い出せない、実に愚かにして臆病だとしか言い様がない。
中共へのODAだとか男女共同参両予算だとかの死に金を全て廃止して全額国防費に回し、自衛隊を大幅に増員すれば「基盤的防衛」も「国際平和協力」も両方可能なのだ。
防衛庁の即時の省昇格は言うまでもなく、自衛隊百五十万人体制が私の持論だが、とりあえず五十万人でも構わない。海外における自衛隊の活動が求められる国際情勢に対応しつつも国防力を維持するためには、至急の大幅増員が不可欠である。
こと国防というものについては、何かを行う代わりに何かが犠牲になるといったことは決してやってはならないのだ。
国民の生命と財産を護る至高の義務を負う以上、為政者は左翼の妄想的な批判に迎合せずに現実の情勢を、そのリアリズムを国民に説き、正式な国軍化と大幅増員が必要な理由を国民に理解してもらうべく務めなければならない。
そして万一その言葉を国民の多数が理解できないようならば、そんな国はいずれ滅びるしかないのだ。
憲法第九条という精神的奴隷法の下に封印された日本人の誇りと勇気を、もう一度この国に取り戻すことこそ、国防再生の第一歩である。
前述のスイスでは、全国民に対して「軍人操典」「民間防衛」という二冊のマニュアルが支給されている。二冊ともそれぞれ三百ページを超える大冊であり、軍事知識・戦闘法・国際戦争法規・危機管理方法・国防精神を徹底的に国民に理解させている。
日本が緊急に求められている国家のあり方と国民の至高の義務、その目指すべき理念がこのマニュアルには存在している。
その「民間防衛」マニュアルの中の一部を以下に引用したい。
「我が国の安全保障は、我々軍民の国防努力いかんによって左右される。(小略)我々が個人的に、集団的に、今日決意したことによって明日が左右されるのである。
親たちが我々のことを心配してくれたように、我々も子供たちのことを考えよう。
自由と独立は、我々の財産のなかで最も尊いものである。自由と独立は、断じて与えられるものではない。自由と独立は、断えず守らねばならない権利であり、言葉や抗議だけでは決して守り得ないものである。手に武器を持って要求して、初めて得られるものである」(スイス政府発行「民間防衛」)。
かつて日本敗戦の二年前、昭和十八年十月二十一日の雨に煙る明治神宮外苑、学生服に制帽をかぶり小銃を肩にかけた七万人の学生たちが「守るんだ、俺たちがこの国を守るんだ」と心で叫びつつ、死を決意した壮厳にして悲壮なる行進を続けた。
かの学徒出陣壮行である。そして敗戦の日までに総数三十万人の学生たちが戦地へ赴き、この国の誇りと「未来」を守らんが為にその多くが戦場の露と消えていった。そこには次代の日本人が決して忘れてはならない美しい至純の心があった。
あれから六十年、平成の街に溢れる若者たちの多くは、自分だちと同年代の男たちが心で敗戦を知りつつも祖国のために死地へと出陣したことを知りもせず、また教育もそれを教えてはいない。
妄想平和主義と自虐史観によって断ち切られた「戦前戦中の若者」と「戦後の若者」の精神、この不幸なる歴史の断絶が「侵略されたら降伏する」という八十五%の青少年たちを生み出した。
成人の十倍の比率で犯罪に明け暮れる少年たち、そして五割が売春を肯定する少女たち。
首相の靖國参拝に違憲判決を下し、自衛隊員を「人殺し」呼ばわりする国。
自国を「侵略国」と呼んで中共に卑屈に媚び、国防を年間五千億円の金でアメリカから買う国。
あの学徒出陣した若者たちの「俺たちは日本をこんな国にするために死んだんじゃない、誇り高き日本を次代へ遺すために俺たちは生命を捧げたんだ」という悲痛な叫びが、私の耳にはいつも鳴り響いている。
その声はあまりにも切なく、そして哀しい。
「身をすてて いさををたてし 人の名は くにのほまれと ともにのこさむ」。
この明治天皇の御製の精神を、日本人が機れた自虐史観によって今後も封印し続けるならば、この国を待ち受ける未来は中共の一自治区となるかアメリカの一州となるか、そのいずれかしかない。
日本における国防精神の原点は全て靖國神社に帰結する。取り戻すべき大切なものはそこにある。
国防アレルギーからの覚醒 Part1
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原爆より被害甚大な自虐史観
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勝者の論理を押しつけられた歴史
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コミンテルンの陰謀
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【日本の国家戦略(一)】
国防アレルギーは滅亡への道
かつて社会党は「自衛隊にはお嫁にやりません」という完全な職業差別の選挙ポスターを全国に貼ったことがある。
もし仮に自民党とかが「共産党員・社会党員にはお嫁にやりません」「創価学会員にはお嫁にやりません」というポスターを貼ったりしたら大騒ぎの大問題になったことであろう。なぜ自衛隊ならそれが許されるのか。
TBSで放送されていた人気番組『三年B組金八先生』では、自衛隊に就職を志願した生徒を金八先生が「人殺しになるな」と説得して断念させるというエピソードがあった。
日教組の教師たちは自衛隊員の子供を立たせて級友の前で「○○君のお父さんは人殺しです」と言い放ち、また「自衛隊員入店お断り」と貼り紙した自称「反戦平和店」なる飲食店が話題になったこともあった。
自衛隊の通信線を切断した極左の「反戦活動家」二名は無罪(昭和三十七年札幌地裁)となり、ペルシヤ湾で命を賭けて機雷除去の掃海任務を果たして帰国した五百人の自衛隊員には総額十万円[一人あたり二百円]の報賞金しか出さず、あげくには自衛隊の一日あたりの食費額は刑務所よりも二百円安いのである。
自国の軍人の食事を犯罪者以下の待遇にしている国なんて、日本以外にはただの一国も存在しない。
このように自国の軍人をとことんまで侮辱し蔑み続けた、世界唯一の歪んだ国がこの戦後日本である。
ここに平成十年八月に広島の教材出版社が全国の公私立高校三年生(一千四百五人)に対して行ったアンケート結果がある。
「日本の平和にもっとも貢献している制度は」という設問に対し、一位は「平和憲法」四十四・五%、二位は「非核三原則」三十四・六%、そして「日米安保」と回答したのは僅か一・四%であった。
また「日本の平和を支えている組織(又は団体・機能)は」という設問に対しては、一位が「市民運動」二十五・二%、二位が「国連」二十四・四%、三位が「警察」十・五%で、「自衛隊」と回答したのは九・五%にすぎなかった。
現在の日本の若者はここまで完全に洗脳され狂ってしまっているのだ。
日教組や全数の教師が行っている授業実態は一般人はおそらく想像もつかないほど偏向しており、その結果として「平和憲法」「非核三原則」「市民運動」「国連」といった糞の役にも立だないシロモノが「日本の平和を守っている」と思いこんでいる若者が多数を占めている。
平成十三年二月二十二目の読売新聞の青少年アンケートでは「外国から侵略されたらどうするか」という設問に対して、一位の「無抵抗」が五十六%、二位の「武器以外の方法(話し合いなど)」が二十九%、つまり侵略攻撃に一切抵抗しないか話し合いをするという事実上の「降伏」を選んだ者が合計八十五%に達し、一方「武器を取って抵抗する」は僅か十三%であった。
青少年の85%が侵略攻撃への抗戦を否定する国など、世界中どこを探しても日本以外には一国もない。
つまり日本は「世界で一番侵略しやすい国」なのだ。左翼の教師組合や左派マスコミが育てあげた若者たちとは、世界一臆病で卑しい敗北主義者たちだったのである。
そしてこの世代の人間が政治家になっても、同じ感覚のままでいることこそ実に危険きわまりないことなのだ。
例えば、船田元氏の不倫騒動に便乗して当選した民主党の水島広子という若い新人代議士がいた。
水島はイラク人質事件に際して、人質家族の反政府アジテーションに対する国民からの抗議について「この国はここまで来てしまったのか。それほど社会は病んでいるのですね」と宣った大甘のお嬢ちゃんだが、国防に関してもとても国会議員とは思えない白痴的な妄想を公言しているので、妄想平和主義者の典型例として紹介しよう。
平成十二年八月二十日の『サンデープロジェクト』に出演して「外国が攻めてきたら?」と問われた水島は、なんと「とりあえずその場はしょうがない」と答えている。
日本以外のどの国にあっても、国会議員がこんな発言をしたら国民から大々的な非難がおこり即時失脚である。
水島はその後もHPや雑誌で自身の見解を次のように述べている。「(外国の攻撃を受けた場合)この国際世論がその、昔とは全然違いますから、そんな非常な、非常状態がいつまでも放置されるかっていう、私はその辺ちょっと、人間っていうものを、信頼したい」「(世界から軍隊をなくすために)私は経過指置として国連軍を作り、世界中の軍備を国連軍にシフトさせ、各国固有の軍はなくしていくべきだという考えです。国連軍には当然、日本も参加するのですが、その時は無国籍であり、憲法九条を改正する必要はありません」。
現役の国会議員が外国からの攻撃に対する対処を聞かれて、「とりあえずその場は仕方ないが、そのうちに国際世論が何とかしてくれるだろう。人間っていうものを信じたい」という幼稚園児のような回答をしているのだ。
そもそも世界各国のどの国が固有軍をなくしてくれると思っているのか。幻想というか妄想もここに極まれりといった感がある。
平成十五年七月、新潟県加茂市の小池清彦市長がイラク特措法廃案を求めて全国会議員に発送した要望書には、「(自衛隊に)犠牲者が出た場合、自衛隊は職場としての魅力を失って隊員が集まらなくなり、そうなると徴兵制が復活してファシズムが台頭する危険性がある」と記されている。
この男は正気だろうか。加茂市民には悪いが、こんな男に市長が務まるのならば、犬に市長を任せたほうがよい。そのほうが狂った妄言を宣うよりもワンワンとしか言わない分だけ罪がない。
徴兵制の国がファシズムならば、世界中の大半の国がファシズム国家だということになる。
この男はファシズムの意味を分かっているのか。それともカタカナ言葉を使って知的なフリをしてみたかっただけか。
ところが同年七月二十五日にTBS『ニュース23』はこの要望書を大々的に取り上げて、「一旦転がり始めたものが向かっていく先の怖さってものが、何となく、こう見えてくる気もするんですね」とコメントした。
コミュニストにとっでは、中朝の軍拡は怖くないが日本の自衛隊はやたらと怖いのだろう。勝手に怖がっていればよい。
ところで、その左翼に怖がられている自衛隊の現在の総合戦力、つまり物的プラス人的戦力は正直なところ、世界で第三十位前後だといわれている。
これは兵器や兵員だけではなく、指揮の系統や機能、経済力や軍事転化可能な工業力、兵器開発力、予備兵力の動員可能数、戦時に対する法制や国民意識、国内の利敵(反戦)勢力の規模、その他、いざ戦争となった時の国家の潜在力全てを勘案してのランキングである。
つまり自衛隊そのものの戦闘技術や士気はハイレペルなのだが、政治・法制や国民意識や機能面において大いに足をひっぱられ、そのために三十位前後に位置づけられているのだ。
それ故に自衛隊が戦って勝てるのは、東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカなど権力者の政争が絶えない国々の私兵的軍隊を相手にした場合だけだともいわれている。
これは自衛隊が迎撃力中心の軍隊であり、攻撃力を政治的に取り上げられていることも主因の一つだが、それ以外にも諸々の諸因がある。それらの諸因となっている自衛隊の実状を少し説明しておこう。
まず自衛隊が所有している実弾は、約三日間の戦闘分しかない。
しかも一ヵ所にまとめて管理されているため、もし駐屯地の真ん中を敵の戦闘機が攻撃して弾薬備蓄所を爆撃されたらオシマイである。
備蓄の少ない実弾が貴重であるため、自衛隊では実弾演習をほとんど行っていない。銃を手に持って口で「バーン、バーン」と叫ぶ演習だけだ。
迫撃砲なども演習場がないために模擬弾を使い、段ボールでつくったハリボテを敵戦車に見立てて演習している。
さらに自衛隊は他国の軍に比べてハイテク化が進んでいるようなイメージを持たれているが、それは例えばイージス艦などごく一部であり、自衛隊の車両にはGPSもコンピュータもデジタルマップも搭載されておらず、各車両と司令部をつなぐデータリンクシステムもない。
これらは全て防衛予算が少なすぎることに由来する。
しかも政府はMD導入予算も別扱いにはせずに、現行の防衛予算の中に収めようとしている。
そのため、陸自予算から戦車・火砲、海自予算から護衛艦・哨戒機、空白予算から作戦用航空機が削減された。
従って今後さらに自衛隊は兵器不足に困ることになる。
さらに馬鹿みたいに「専守防衛」にこだわり続けたせいで日本国上上での戦闘しか想定していないため、自衛隊の機関銃は五・五六ミリであり、例えばイラクや北朝鮮の使用する七・六二ミリ機関銃と撃ち合いになれば、自衛隊の弾の威力(貫通力)は七・六二ミリ機関銃の二分の一しかなく、接近銃撃戦では勝ちようがない。
これは映画『宣戦布告』でも描かれていたが、妄想平和主義に固執した政治が自衛隊員の生命を不要に危険にさらしている。
これが日本国民の大切な「財産」である自衛隊の実状なのだ。
本来軍隊とはいざ防衛戦となれば全ての法を超越するのが世界中の常識である。
しかしこれまで自衛隊は世界で唯一、国内法の制限下に置かれている異常な状態にあった。例えば北朝鮮軍が海岸から上陸してきたと仮定する。
それを迎え撃つために自衛隊が軍用車や装甲車で市街を移動するには、地方の公安委員会に特別許可を申請しなければならない。公安委員が集まった会議で許可が下りて始めて移動開始となる。
しかし移動の際に制限速度をオーバーすると道文法違反となり、交通警官から「そこの自衛隊車両、停車して免許証を出しなさい」と言われ、運転していた自衛隊員は交通違反キップを切られる。
ようやく目的地に到着してプレハブの司令部を設営しようとすると、先にその土地の所有者を探し出し、運良く所有者が左翼や在日北朝鮮人ではなくて賃貸契約を結んでもらえれば、次に建築基準法に基いての許可申請を役所に出しに行き許可を待たねばならない。
そんなことをしている内に当然ながら民間人も含めて大量の死亡者や負傷者が続出するが、野営病院を設営しようとしても医師法だの何だのと山はどの許可を申請しなければならないのだ。
そして民家に逃げこんだ北朝鮮兵を追って自衛隊員がその家に入ると住居不法侵入罪、さらにその家の主が在日北朝鮮人か共産主義者で「自衛隊は出ていけ」と言われて従わずにいれば不退去罪、思い余った自衛隊員がその家の主を取りおさえると監禁罪、取りおさえる時に殴ってしまえば傷害罪、もうキリがなく余りに馬鹿馬鹿しいのでこれ位にしておくが、この様な状態に自衛隊が長年置かれ続けてきた現実を国民の多くは理解しているのだろうか。
よく左翼軍営は「自衛隊は世界第二位の軍隊」だと主張して、それを防衛力削減を訴える口実に用いる。
世界第二位だという根拠は、日本の防衛費が世界第二位の金額だということに由来しているが、ここに左翼のレトリックが隠されている。
現在自衛隊の兵器や装備を製造している国内メーカーは、政府の愚かな妄想平和主義政策のせいで海外へ輸出を禁じられている。
いわゆる武器輸出三原則は、共産圏、国連が禁止した国、国際紛争当事国に対して武器輸出を認めないとする自主規制政策だが、それに加えて何を血迷ったのか三木内閣がこれらの国々以外の諸外国へも武器輸出を「慎む」と決定したのである。
そのため中共にはODAの名目で軍用輸送可能道路や戦闘機発着陸可能飛行場をつくってやったり、北朝鮮には核兵器製造に転用可能な精密機器が送られるその一方で、海外の日本人には防弾チョッキ(通産省はこれを武器と認定!)さえも送れないという状況にあるのだ。
こうして海外に輸出できない以上、日本の兵器メーカーは量産することができず、従ってどうしてもコストが高くなってしまう。
例えば諸外国では、小銃の平均調達価格は日本円で一丁あたり四~六万円だが、自衛隊の小銃である八九式の調達価格は一丁あたり三十五万円もかかっている。
対戦車ヘリコプターは、アメリカでは一機六~七億円で調達しているが、自衛隊では同クラス機が一機四十九億円なのだ。
他の兵器も勿論のこと、弾薬から装備も全て世界一の高コストで、さらに徴兵制ではないために人件費も非常に高い。
つまり実質攻撃能力は世界第三十位前後だといわれるのに、費用だけは世界第二位ということなのだ。
一体これのどこが「世界第二位の軍隊」ということになるのであろうか。
この高コストを解決するには、日本の兵器メーカーの海外輸出を自由化するしか方法はない。ようやく石破防衛庁長官が武器輸出三原則の見直しを口にしたが、海外輸出を禁止している国なんて日本ぐらいしかなく、これは平和主義というよりも偏執狂的、病的だとしか言い様がない。
そして何とも信じ難い異常なことではあるが、自衛隊の駐屯地を警備する自衛隊員は実弾を持たせられていない。
つまり猟銃か何かを待った暴徒が乱入すると、黙って入れるか、死を覚悟して素手で取りおさえるしかないのである。
さらに防衛庁の警備も民間警備会社が行ってきたのであるが、これもまた機関銃を待った数人程度が乱入すれば日本の防衛中枢が占拠されるということである。
なお世界各国にある日本の大使館や領事館などの在外公館についても、自衛隊はその警備を任されていない。
米大使館の警備は米海兵隊が担当しているように、世界中どの国も自国の軍で在外公館を警備しているのに、日本だけは現地国の警備会社に依頼してガードマンを雇うという、常識ではとても信じられないことを行ってきたのである。
現在イラクにおける大使館のガードマン費用だけでも外務省はすでに一億円近くを費やしているが、要するに自衛隊をわざと排除して金で安全を買っているわけだ。
イラクで殺害された奥克彦参事官が外務省のHPで連載した『イラク便り』には「日本の場合、自国の兵士や警備を行いませんので(ちなみに、これは主要国では稀なケースです)、警備対策が最大の問題です」という一節があった。
奥氏はその立場上ソフトな表現をしておられるが、要するに日本は主要国では稀な「異常」な国なのだ。
日本はそろそろ普通の国の「常識」を身につけないと、これから世界各国の日本大使館はテロの好餌となる。
ところが9・11テロの直後に、皇居や原発、米軍基地などを自衛隊が警備するという案が出されたとき、「国民に銃を向けるのか。警察に警備させろ」と主張した自民党の親中朝派の大物議員がいた。
自衛隊が銃を向けるのは、アルカーイダの対日テロ要員か北朝鮮テロエ作員に対してであり、それらのテロから国民を守るための自衛隊なのに、一体何をとち狂っているのであろうか。
大きな問題点はさらにもう一つある。
元々自衛隊とは警察予備隊として発足したために、そのシステムは警察と同類で軍隊としてのものではない。
そして自衛隊の制服組は、防衛庁の「内局」と呼ばれる背広組のコントロール下におかれている。
この内局の大半は他省庁から出向してきた官僚で、軍事や安保の知識は皆無である。防衛庁事務次官ポストは最近までずっと、大蔵省(財務省)からの出向官僚が就いていた。
従って防衛庁に対しては大蔵省の権限が強く、例えば陸上自衛隊の定員は本来は十八万人なのに大蔵省が「予算定員」と称して十五万人分で予算を切ってしまうため、残り三万人を採用できない。
これは名前が財務省に変わっても全く同じことで、国会が定めた日本の国防力を一省庁が独断で三万人も減らしているわけだ。
そして詳しくは後述するが、この「内局」と呼ばれる出向官僚の多くが、自虐史観と反国防思想を持つマルキストなのである。
現在、元防衛庁政務次官の箕輪登という男が極左グループと連携して自衛隊イラク派遣に反対し、「自衛隊派兵違憲訴訟」なるものの原告に名を連ねていることがその一例であろう。
ともあれ自衛隊の指揮系統からこの「内局」をはずさないかぎり、いざ有事の際に自衛隊がまともに機能しないことは必至である。
もし北朝鮮と交戦となれば、前述のように日本国内にいる数万人の工作員が破壊テロを決行し、市街戦となることは確実だが、いくらハイテク戦闘機やイージス艦を持っていても、市街戦・ゲリラ戦の訓練をしていなければ、国民の生命は守れない。
しかも十二万数千名からなる北朝鮮特殊部隊が侵入してきた場合、それを防ぐには最低でも水際に三十~四十万人の軍隊が必要となる。
韓国では一九九六年に、北の十四名の特殊部隊兵士を掃討するのに軍隊六万人が動員され完全掃討に二ヶ月も要している。
実数でいえば僅か十四~十五万人という陸上自衛隊の人数は、国を守るにはあまりにも少なすぎるのだ。
しかし自衛隊を増員しようにも市街地訓練を行おうにも、財務省が勝手に予算を切り、左翼政党や親中朝派政治家が猛反対して大騒ぎしてこれを抑えている。
これら反自衛隊を唱える勢力がよく口にするのが「日本はスイスを見習って永世中立国になるべき」という毎度の主張だ。
確かにスイスは第二次大戦でも中立を堅持したが、ヒトラーがスイスに手を出さなかったのにはそれなりの理由がある。
スイスは六百九十四万人の人口だが、国民皆兵制を敷き、戦争が起こった場合は四十八時間以内に成人男性全員が指定の軍事施設に集合することになっている。
さらに男性は全員が二十~四十二歳の間に民兵として兵役に就き、計三百日間訓練を受け、各自がそれぞれの家庭に戦闘用の銃器を保管するよう義務づけられてもいる。
そして、いざ有事ともなれば陸軍五十六万五千人と空軍六万人、合計六十二万五千人を二日間でスイス全土に配備する体制のもとに、北海道の二分の一の国土(約四万一千平方キロ)を防衛しているのだ。
それに対して日本の北海道には現在、約四万人の自衛官しかいない。
もし日本が永世中立を掲げてスイス並みの防衛体制を構築するならば、北海道だけでも百二十万人の自衛官が必要となる。
日本全土となれば、スイス同様に成人男性全員が皆兵となってようやく足りるかといったところである。
スイスが国是とする「永世中立」とは、これだけの国防意識と国防体制、危機管理能力に基いてのものであり、日本の左翼陣営が主張する「非武装中立」などといった妄想とは根本から違っているのだ。
国防努力を放棄した危機管理能カゼロの「中立」が永続する筈もなく、逆に周辺敵性国の攻撃誘因となる。
「中立」を国是とするということは、通常以上の強大な軍事力保持がその絶対条件となるのである。
スイスのこのような実状が段々と知られ始めると、今度は朝日新聞は論説で「コスタリカを見習え」と主張し、左翼陣営は『コスタリカ・軍隊を廃止した国』というドキュメンタリーの上映会を各地で展開し、近年は何かにつけて「コスタリカ、コスタリカ」大騒ぎしている。
しかしこのコスタリカという国は、軍部による内戦やクーデターが頻繁に起こった為に政権転覆を防止するために軍隊を廃止したのであって、地政学的にも周辺国の利害や紛争とは無縁だからそれが可能だったのである。
世界地図があったら手元に広げてみてほしいのだが、北米と南米の間の陸廊部にある小さな小さな国であるコスタリカの人口は僅か三百七十万人、GNPは日本の四百五十万分の一、コスタリカを仮想敵国視する国も一切存在していない。
それに対して日本は人口一億三千万人の世界第二位の経済大国であり、中共・北朝鮮・ロシアからは仮想敵国とされていて実際に対日戦の準備は常時スタンバイされており、核ミサイルの照準まで向けられ、地政学上も非常に厄介な位置にある。
この日本とコスタリカを比較すること自体がメチャクチヤもいいところなのだ。つまり味噌と糞を比べて論じているということだ。
軍隊を持たない国ということであれば、北極圏下の人口三十万人の島国アイスランドを引き合いに出しても良さそうなものだが、左翼も朝日も決して「アイスランドを見習え」とは言わない。
それはアイスランドは「北極の小さな島を侵略する国はないだろう」と呑気に構えていたら第二次大戦中に英国に占領されてしまい、その教訓から戦後は米国と防衛協定を結んで国内に米軍基地を設けさせているからである。
従って反米で米軍基地にも日米安保にも反対している左翼は、アイスランドは見て見ない振りをして「コスタリカ、コスタリカ……」と叫び続けているのである。
さて現在の日本を取り巻くこの現状は、軍隊をなくすどころか大幅に増員しなければならない必然性を強く示唆している。
戦後このかた、まさに現在ほど至急に高度国防国家への転換を求められる状況は存在しなかったぐらいだ。
そしてこれは重要な点なのだが、戦闘訓練を受けていない民間人がある日突然に兵となってもマトモに戦えず、戦死率は圧倒的に高くなる。
つまり戦争を仕掛けられたときに、多くの民間人が戦死しなくてもよいためには、プロの職業軍人を多く確保しておく以外の方途は一切ない。
一千万人からの公務員を国民に寄生させておくよりも、それらを大々的にリストラして代わりに自衛隊員を増やすことのほうが余程国民への思いやりというものである。
約二千三百万人の人口の台湾では、陸軍二十四万人、空軍・海兵隊十三万人強、予備兵力百六十六万人を擁している。
また人口約四千八百万人の韓国では、陸軍五十六万人、海兵隊二万八千人、空軍他が九万人、予備兵力は四百五十万人を擁している。
国を守るためには、これだけのプロ軍人は最低でも必要なのだ。
二千三百万人の人口で陸軍百万人と予備兵力七百四十五万人を擁する異常な北朝鮮はともかくとしても、日本人一億三千万人の生命を守るべき自衛隊が予備兵力五万人を含めて総兵力二十九万人では、とても足りないどころか存在しないも同然である。
韓国の人口は日本のおよそ三分の一であることから、日本は最低でも百五十万人の自衛官が必要であり、四方八方を海に囲まれている地政的に鑑みると本来は二百万人(予備兵力を含む)は必要なのだ。
しかし日本の現状はその七分の一以下である。自衛隊を増員増強するということは、国防をより確実にするのみならず、一般民間人が市街戦に駆り出されて死亡するという悲劇を回避するために不可欠であり、左翼や親中派政治家の言のごとく自衛隊を減らし防衛費を削減するということは、それだけ民間人が多く死ぬということに他ならない。
平成十六年度末までに日本政府が策定する「防衛計画大網」の骨子が公表されたが、なんと陸上自衛隊の主力装備が三割削減され、「基盤的防衛力」から国連POKなどの「国際平和協力」へ自衛隊の主業務を転換するという主旨が示されている。
これはとんでもない愚かな話である。
私は自衛隊の海外派兵自体には大賛成であり、それも出来るだけ国連PKO以外の日本独白の主権的判断での派兵展開を進めることが、「平和真理教」を盲信するカルト国家日本の洗脳を解くカギだと考えている。
しかし中共・北朝鮮という敵国が日本にミサイルの照準を向け対日戦を想定した軍事演習を繰り返しているのに、「基盤的防衛力」を後回しにして陸自装備を削減するとは、まるで武装強盗団に対して「うちの家の鍵をこじあけやすいものに変えました」と言いに行くようなものである。
何故こんな馬鹿な案になったかと言うと、現在の自衛隊員数では「基盤的防衛」も「国際平和協力」も両方やるのには人員も予算も足りないからだ。
だから自国の防衛に充てるべき人員を海外派遣に回すしかないのだ。要は自衛隊を大幅増員して予算を拡大すれば解決することなのだが、左派マスコミや公明党の反対を怖れてそれも言い出せない、実に愚かにして臆病だとしか言い様がない。
中共へのODAだとか男女共同参両予算だとかの死に金を全て廃止して全額国防費に回し、自衛隊を大幅に増員すれば「基盤的防衛」も「国際平和協力」も両方可能なのだ。
防衛庁の即時の省昇格は言うまでもなく、自衛隊百五十万人体制が私の持論だが、とりあえず五十万人でも構わない。海外における自衛隊の活動が求められる国際情勢に対応しつつも国防力を維持するためには、至急の大幅増員が不可欠である。
こと国防というものについては、何かを行う代わりに何かが犠牲になるといったことは決してやってはならないのだ。
国民の生命と財産を護る至高の義務を負う以上、為政者は左翼の妄想的な批判に迎合せずに現実の情勢を、そのリアリズムを国民に説き、正式な国軍化と大幅増員が必要な理由を国民に理解してもらうべく務めなければならない。
そして万一その言葉を国民の多数が理解できないようならば、そんな国はいずれ滅びるしかないのだ。
憲法第九条という精神的奴隷法の下に封印された日本人の誇りと勇気を、もう一度この国に取り戻すことこそ、国防再生の第一歩である。
前述のスイスでは、全国民に対して「軍人操典」「民間防衛」という二冊のマニュアルが支給されている。二冊ともそれぞれ三百ページを超える大冊であり、軍事知識・戦闘法・国際戦争法規・危機管理方法・国防精神を徹底的に国民に理解させている。
日本が緊急に求められている国家のあり方と国民の至高の義務、その目指すべき理念がこのマニュアルには存在している。
その「民間防衛」マニュアルの中の一部を以下に引用したい。
「我が国の安全保障は、我々軍民の国防努力いかんによって左右される。(小略)我々が個人的に、集団的に、今日決意したことによって明日が左右されるのである。
親たちが我々のことを心配してくれたように、我々も子供たちのことを考えよう。
自由と独立は、我々の財産のなかで最も尊いものである。自由と独立は、断じて与えられるものではない。自由と独立は、断えず守らねばならない権利であり、言葉や抗議だけでは決して守り得ないものである。手に武器を持って要求して、初めて得られるものである」(スイス政府発行「民間防衛」)。
かつて日本敗戦の二年前、昭和十八年十月二十一日の雨に煙る明治神宮外苑、学生服に制帽をかぶり小銃を肩にかけた七万人の学生たちが「守るんだ、俺たちがこの国を守るんだ」と心で叫びつつ、死を決意した壮厳にして悲壮なる行進を続けた。
かの学徒出陣壮行である。そして敗戦の日までに総数三十万人の学生たちが戦地へ赴き、この国の誇りと「未来」を守らんが為にその多くが戦場の露と消えていった。そこには次代の日本人が決して忘れてはならない美しい至純の心があった。
あれから六十年、平成の街に溢れる若者たちの多くは、自分だちと同年代の男たちが心で敗戦を知りつつも祖国のために死地へと出陣したことを知りもせず、また教育もそれを教えてはいない。
妄想平和主義と自虐史観によって断ち切られた「戦前戦中の若者」と「戦後の若者」の精神、この不幸なる歴史の断絶が「侵略されたら降伏する」という八十五%の青少年たちを生み出した。
成人の十倍の比率で犯罪に明け暮れる少年たち、そして五割が売春を肯定する少女たち。
首相の靖國参拝に違憲判決を下し、自衛隊員を「人殺し」呼ばわりする国。
自国を「侵略国」と呼んで中共に卑屈に媚び、国防を年間五千億円の金でアメリカから買う国。
あの学徒出陣した若者たちの「俺たちは日本をこんな国にするために死んだんじゃない、誇り高き日本を次代へ遺すために俺たちは生命を捧げたんだ」という悲痛な叫びが、私の耳にはいつも鳴り響いている。
その声はあまりにも切なく、そして哀しい。
「身をすてて いさををたてし 人の名は くにのほまれと ともにのこさむ」。
この明治天皇の御製の精神を、日本人が機れた自虐史観によって今後も封印し続けるならば、この国を待ち受ける未来は中共の一自治区となるかアメリカの一州となるか、そのいずれかしかない。
日本における国防精神の原点は全て靖國神社に帰結する。取り戻すべき大切なものはそこにある。
国防アレルギーからの覚醒 Part1
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国際政治のリアリズム
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原爆より被害甚大な自虐史観
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コミンテルンの陰謀
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